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声明・意見書

会長声明 2014年12月01日 (月)

秘密保護法の施行に反対し同法の改廃を求める会長声明

 政府は,2014(平成26)年10月14日,特定秘密の保護に関する法律(以下「秘密保護法」という。)の運用基準を閣議決定し,来たる同年12月10日に同法が施行されようとしている。
 同法は,国民の知る権利を侵害し,国民主権原理の根幹を脅かし,罪刑法定主義にも抵触し,秘密に関与する関係者のプライバシーを侵害するなど,日本国憲法の基本原理に照らして看過しがたい重大な欠陥をもつものである。当会は,再三にわたる意見書や会長声明の中で,その問題点を強く訴え,日本弁護士連合会も,同様の立場から同法に強く反対してきた。
 同法は,国民からも,国際社会からも強い批判をあびている。情報保全諮問会議が本年7月に作成した同法施行令(素案)及び運用基準(素案)等について同年7月24日から実施されたパブリックコメントでも,2万3820件もの多数の意見が寄せられたが,その多くが同法に対する深刻な懸念を表明するものだったと報じ
られている。また,国連人権(自由権)規約委員会は、同年7月31日,日本政府に対して,秘密指定には厳格な定義が必要であることやジャーナリストや人権活動家の公益のための活動が処罰の対象から除外されるべきことなどを勧告した。
 こうした国内外からの強い批判にもかかわらず,秘密保護法は,その施行令や運用基準を総合しても,当会等が指摘してきた問題点を解消することなく施行されようとしている。秘密指定できる情報はきわめて広範であり恣意的な秘密指定の危険性は依然として存在するし,完全に独立した第三者機関や公益通報者保護制度といった恣意的運用を防止する仕組みもきわめて不充分である。秘密漏えいの罪に関する刑事裁判における被告人の手続保障も十分とはいえず,適性評価制度による評価対象者やその家族等のプライバシー侵害の危険も解消されていない。
 したがって,当会は,国民の知る権利や国民主権等の日本国憲法の基本原理を脅かす同法の施行に強く反対し,政府に対し,改めて,同法の廃止又は抜本的な見直しを行うよう強く求める。

2014(平成26)年12月1日

福井弁護士会  
会 長 内 上 和 博

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