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声明・意見書

会長声明 2011年03月24日 (木)

提携リース契約を規制する法律の制定を求める会長声明

1 提携リースとは,販売店(以下「サプライヤー」という)とリース会社との間に提携関係があるためサプライヤーがファイナンス・リース契約締結の交渉・申込手続を代行するリース契約のことである。
2 この提携リース契約において,近年,トラブルが多発している。
(1)例えば,サプライヤーの販売員が消費者,又は,限りなく消費者に近い零細事業者宅を訪問して,「今使っている電話機はいずれ使えなくなる」などと事実と異なることを告げて,高額な高機能事務用電話機についてリース契約を締結させ,後日,当該機器を導入する必要がなかったことや,あまりに高額なリース料総額を知ったユーザーが,リース会社に対して解約を申し入れても,解約に応じないという例が多発している。リース会社は,サプライヤーの勧誘行為はリース会社には無関係である,リース契約上中途解約が認められない,事業者には特定商取引法が適用されずクーリング・オフは認められない,といったことを理由に一切解約に応じようとしないのである。
(2)また,役務提供はリース契約の対象になり得ないにもかかわらず,脱法的に役務提供のリース契約を締結させるため,安価なソフトウェア等をリース物件に設定して,実質的には役務提供の対価として不当に高額なリース料金を定めて,リース契約を締結させる巧妙な事例も発生している。提携リースのリース料はリース会社及びサプライヤーが一方的に設定し,リース物件の価格やリース料の計算方法などは,ユーザーにとってブラックボックスとなっているため,リース料総額がリース物件の市価の数倍に設定されるような事例も多発しているのである。
(3)更に,ユーザーが締結していた従前のリース契約を解約し,その解約損害金をユーザーが認識する間もなく,次のリース契約のリース料に上乗せされ,高額なリース契約を締結させられる事例も多数見られる。
3 このように,リース契約自体が,無知な消費者,又は,限りなく消費者に近い零細事業者に対し,利用するリース物件との対価的均衡を欠く,不必要な金員を支払わせるための道具として利用されている実態がある。しかも,リースの契約対象も電話機等からソフトウェア等に変化し,リース契約を巧妙に利用した新たな被害事案が増加している。
4 以上のような被害に対し,これまでユーザー側は訴訟等において,詐欺取消や,消費者契約法による取消,特定商取引法によるクーリング・オフ,公序良俗違反による無効等の法的主張をし,また,安全配慮義務違反ないし不法行為に基づく損害賠償責任などを根拠にリース会社またはサプライヤーの法的責任を追及してきた。しかし,訴訟等ではユーザーがリース会社とサプライヤーの内部関係等について過大な主張立証責任を負担させられていることに加え,リース契約に関して抗弁権の接続(割賦販売法30条の4)等を認める明文を欠くため,個々の裁判所の判断によって司法的救済が受けられない場合もある。
5 零細事業者とサプライヤー及びリース会社との間には情報の質・量及び交渉力において大きな格差があり,零細事業者は消費者に近い弱い立場にあることに鑑みれば,被害救済のための適当な法制度を欠くために,救済がもっぱら個々の裁判所の判断に委ねられ,多額の被害にあいながら救済が得られないケースも多数みられる現状には問題がある。
6 よって,かかるユーザーとリース会社との間の格差を是正し,もって,上記のような被害を防止するため,次のような内容を持つ新たな立法が必要である。
  ①リース会社とサプライヤーとの一体的取扱い(サプライヤーによる不適切な勧誘行為等があった場合は,これをリース会社が行ったものとして扱い,ユーザーはリース契約を取り消すことができることを明文で定める)
  ②リース物件の市価と乖離したリース料総額設定の禁止
  ③残リース料上乗せリースの規制,リース料率の規制
  ④リース会社とサプライヤーの適切な契約内容の説明義務
  ⑤クーリング・オフ制度(提携リース契約においてユーザーとなる零細事業者は,消費者と同様,当該契約についての情報力,判断力,交渉力において,サプライヤー,リース会社と比べて格段に劣るのであるから,リース契約のクーリング・オフができるようにする)
  ⑥訪問販売等の不招請勧誘の規制
  ⑦リース会社の支払能力調査義務・過量販売の禁止
  ⑧厳格な行政ルールの導入(提携リースについては,販売信用に準ずるものとして,割賦販売に準じた規律を設け,経済産業省等への届出・登録義務を課した上で,報告徴求,立入検査,業務改善命令等の行政ルールを導入する)
7 上記のように,提携リース契約において,極めて不適切・不合理な内容の契約により多数の被害が生じている現状は放置するべきではなく,以上に指摘した立法による解決が一刻も早く図られなければならない。よって,当会は,国会及び政府に対し,上記内容をもりこんだ立法措置を至急行うことを求めるものである。

2011(平成23)年 3月24日
福井弁護士会          
会 長   井上 毅

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