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声明・意見書

会長声明 2016年04月20日 (水)

安全保障関連法の施行に強く抗議するとともにその廃止を求める会長声明

 2016年(平成28年)3月29日,平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下「安全保障関連法」という。)が施行された。

 安全保障関連法は,大多数の憲法学者,元内閣法制局長官ら,さらには元最高裁長官を含む最高裁判所裁判官経験者までもが,憲法違反であると指摘し,日本弁護士連合会及び全国全ての弁護士会が廃案を求め,多くの国民が反対する中で,採決が強行され成立した法律である。当会も,2015年(平成27年)5月25日付け,同年7月23日付け及び同年9月28日付け各会長声明において,憲法違反の同法に反対の態度を繰り返し表明してきた。
 安全保障関連法は,「存立危機事態」なる抽象的で不明確な要件の下に,歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認し,わが国が攻撃されていないにもかかわらず自衛隊が海外で他国と共に武力を行使することを可能にした。加えて,外国軍隊の武力行使との一体化に当たるとして禁じてきた範囲にまで「後方支援」を拡大し,国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊に駆け付け警護等の新たな任務と任務遂行のための武器使用権限を付与した。
 このように,安全保障関連法の内容は明らかに日本国憲法第9条に違反しており,同法により,日本国憲法が国家権力に課した最も重要な制約である「戦争放棄」が事実上骨抜きにされるに至っていることは,立憲主義を損なう重大な暴挙といわざるを得ない。
 また,安全保障関連法は,手続的にも,内容が多岐にわたり憲法上の問題点も多い法案を,国会提出後わずか4か月という短期間で強行採決を重ねて成立させた点で,わが国の議会制民主主義の歴史に重大な汚点を残した。法案成立後,安倍内閣総理大臣は「政府としてこれからも国民に丁寧に説明する努力を続けていきたい」と記者会見で述べたが,その後も国民に対し十分な説明はなされていないばかりか,2016年(平成28年)2月に民主党などの野党5党(当時)が共同提出した安全保障関連法廃止法案の今国会での審議入りを与党が拒否するなど,安全保障関連法への疑問に耳を傾けない政府与党の対応には,「国民に丁寧に説明する」姿勢はいささかも感じられない。 
 折しも日本国憲法制定70周年にあたる今年,日本国憲法にとってかかる重大な危機が進行し,立憲主義が損なわれていることに対しては,深い憂慮を表明せざるを得ない。
 よって,当会は,安全保障関連法が施行されたことに強く抗議するとともに,その廃止を強く求めるものである。

 

2016年(平成28年)4月20日

福井弁護士会

会長 海 道 宏 実

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