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ジュニアロースクール福井 2020年04月30日 (木)
第1講 「はだかの王様」で考える、民主主義と表現の自由
「はだかの王さま」で考える
表現できることの大事さ
―言いたいことを言えないと・・・?―
この「はだかの王さま」の世界では、王さまは、自由に好き勝手にやっています。
この世界に住む人たちは、そんな王さまのことが許せなくなり、一念発起しましたが…。
「はだかの王さま」のお話から、「言いたいことを言えること」がどれだけ大事なことか、考えてみましょう。
では、まず、第1幕の次の動画を見ましょう。
第1幕 はだかの王さま (映像:約10分)
【問1】
劇の中に出てきた国について、「おかしいな?」と思う点はどこでしょう?
①まず、自分でじっくり考えて、自分の考えをワークシートに書きましょう。
(目安時間:3分)
②(2人以上の場合)自分の考えをワークシートに書いたら、
その意見をお互いに発表しあって、ほかの人の考えを、
ワークシートに書きましょう。(目安時間:5分)
③みんなの意見が出つくしたら、次の動画を見ましょう。
【問1】グループ発表 (映像:約1分30秒)
次に、【問2】の映像を見ましょう。
【問2】 (映像:約50秒)
【問2】
この国では、王さまが好き勝手にできる国から、
民たちが自分たちの国を動かすように変わりました。
変わることができたのは、何が良かったのでしょうか。
①じっくり考えて、自分の考えを書きましょう。(目安時間:2分)
②(2人以上の場合)自分の考えをワークシートに書いたら、
その意見をお互いに発表しあって、ほかの人の考えを、
ワークシートに書きましょう。(目安時間:5~8分)
③みんなの意見が出つくしたら、次の動画を見ましょう。
【問2】グループ発表・弁護士コメント (映像:約2分50秒)
次に、劇の第2幕に進みましょう。
第2幕 国会議員たちの主張 (映像:約2分)
【問3】
劇の中の議員たちの主張を聞いて、考えましょう。
○議員Aの言い分
「国の中で病気やケガで苦しんでいる人を救うべき」
「医療費や最低限の生活費を国がサポートする仕組みにお金を使うべき」
○議員Bの言い分
「貧しい子どもたちもちゃんと学校に通えるようにすべき」
「中学校までの教育をお金がかからない無償にするためにお金を使うべき」
○議員Cの言い分
「国の川が、大雨のたび決壊し田畑が水浸し」
「ダムや用水路を作るためにお金を使うべき」
1 A~Cの主張の中でどれを実行すべきと思いますか?
2 そう思う理由は何ですか?
①じっくり考えて、自分の考えとその理由を書きましょう。 (目安時間:3分)
②自分の考えと理由が書けたら、次の映像を見ましょう。
【問3】1.2 個人発表・弁護士コメント (映像:約6分50秒)
3 議員A~Cのどの主張を採用するかを決めるうえで、
それぞれの主張について、知りたい情報はありますか?
4 議員A~Cのように主張が分かれる中で、みんなが納得する形で
税金の使い道を決めるにはどうすればよいでしょうか?
①じっくり考えて、自分の考えとその理由を書きましょう。 (目安時間:5分)
②自分の考えと理由が書けたら、次の映像を見ましょう。
【問3】3.4 個人発表・弁護士コメント (映像:約5分10秒)
次に、劇の第3幕に進みましょう。
第3幕 発言を禁止する法律 (映像:約3分10秒)
【問4】
ほかの国会議員と同じく民たちの代表であるはずのソノヤマ議員が、
国会での議論に参加できず、民たちは国会で決まったことを批判しては
いけないようになってしまいました。
すべて、「多数決」の名のもとに行われたのです。
これで良いと思いますか?思いませんか?
理由を含めて考えてみましょう。
もし「良いと思わない」という場合は、どうすれば良いかも考えてみてください。
①じっくり考えて、自分の考えを(どうすれば良いかも)書きましょう。
(目安時間:5分)
②(2人以上の場合)自分の考えをワークシートに書いたら、
その意見をお互いに発表しあって、ほかの人の考えを、
ワークシートに書きましょう。(目安時間:10~15分)
③みんなの意見が出つくしたら、次の動画を見ましょう。
【問4】グループ発表・弁護士コメント (映像:約6分20秒)
「はだかの王さま」の国の物語は、以上です。
では、この授業のポイントをおさらいしましょう。
(ポイント1)
みんなが、自分の考えを自由に表現し合えること(表現の自由)は、社会をより良いものにするためにとても大事なことです。
(ポイント2)
社会のためにどんなこと(政策)に取り組んだら良いのか?という問題には、絶対これが正解というものが無いことがほとんどです。
そのために、考え方のちがう人たち同士で議論をしたうえで、多数決などを行って、私たちの社会のために「より大事な政策・より望ましい政策」は何かを決めるのです。
このように、国民私たち自身が参加して、私たち自身のための政治を行っていくことを、「民主主義」といいます。
(ポイント3)
大事なことを決めようとするときには、適切な情報をふまえて考える必要があります。
間違った情報や、非常に少ない情報をもとに考えると、おかしな判断をしてしまうことにつながるからです。
(ポイント4)
多数決は万能ではなく、多数決でもうばってはいけない自由や権利があります。これを「人権」といいます。また、多数決で決めるのが適切ではない場合があります。 人数が多くても、人数が少ない立場や、弱い立場の人たちを不当に苦しめることが正当化されるというわけではありません。そして、少数派の人たちや弱い人たちを多数決から守るために、「憲法」があります。
(ポイント5)
国会議員は私たち国民の代表者ですから、意見を言ったり、国会での議決に加わったりする権利を、特に手厚く守る必要があります。
さて、最後に、法律と政治についてのこんなお話を聞いてみてください。
【ボーナストラック】弁護士コメント (映像:約10分)
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