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お知らせ

2019年02月21日 (木)

H30.9.20 放置された不動産 中村淳

Q:私は、ある会社が倉庫を建てたいというので、持っていた土地を貸したのですが、その会社が破産してしまいました。破産の手続きは終わったようですが、倉庫はそのままにされて、数年経ちます。土地を貸してほしいという人や倉庫を借りたいという人がいるのですが、どうしたらよいでしょうか。

 

A:会社が破産した場合、通常は、裁判所から任命された破産管財人が会社の財産をお金に換えて、配当することになります。しかし、中には、売れない財産もあります。今回御質問の倉庫も売れ残ってしまったものだと思われます。

 破産手続が終了しても、会社自体は消滅することはなく、残った財産とともに存在し続けることになります。従って、勝手に、会社の財産を処分することはできません。もっとも、破産によって、通常は、会社を経営していた人達も権限がなくなってしまうので、破産手続終了後、会社の財産を管理できる人がいなくなってしまうことがあります。

 今回は、相談者の土地に上に会社の倉庫が立っているのですが、土地を明渡してほしいというのであれば、会社に対して裁判を起こし、明渡しを認める判決を取って、強制的に取り壊すことになります。もっとも、会社から取り壊し費用を取り立てることは事実上困難ですので、相談者が負担せざるを得ないでしょう。

 また、倉庫を使うにはどうするかというと、会社から倉庫を買い取る方法があります。会社から倉庫を買い取るには、裁判所に会社の財産管理を担当する清算人の選任してもらい、その清算人と売買契約を結ぶことになります。ただし、清算人の費用や、倉庫に権利を持っている人がいる場合にその権利を取り除くための費用が掛かる場合があります。

 いずれにせよ、裁判所が関わる必要がありますし、費用対効果についても検討が必要でしょう。

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