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2018年06月14日 (木)

H30.3.14 分収造林契約について 太田宏史

Q 最近,父親が亡くなったので兄弟と一緒に相続手続きを進めています。父親は近くの山林を持っていたのですが,遺品整理をしていると,この山林についての分収造林契約の契約期間更新に関する封書が出てきました。そもそも分収造林契約とは何ですか?どのように対応すればいいのでしょうか?

 

A 分収造林契約とは,分収造林特別措置法に基づき土地の所有者と林業公社等の造林者との間で締結される契約のことを言います。

この契約により,林業公社等が費用を負担して山林に造林を実施し,その後の育成も行います。契約の期間が満了すると林業公社等は伐採を行い,その収益を土地所有者と分け合います。この法律が制定された当時は木材の需要が高く,効率的な森林造成を行うため昭和30年から40年代ころにかけて全国各地で契約締結が行われてきました。

しかし,この契約は樹木の育成を目的とする契約ですから50年程度の長期にわたる契約期間となるため,近年種々の問題が生じてきています。

まず,生育のための費用はすべて林業公社等が負担することになるわけですが,経済変動により伐採後の収益の見込みが立たない状況となっています。そこで,これらの問題を解決するため,近年全国各地で分収造林契約の契約期間の延長や収益の分配比率の見直し等が進められています。

また,相続や住所移転などの理由で,現在の山林所有者が誰か把握することが難しくなってきているという問題もあります。

本件の場合,かつて先代の所有者である父親が林業公社等との間で契約をしていたため,このような封書が届いていたものと思われます。

次にどのように対応すべきかですが,まずは本件山林について相続登記手続を行い,本契約の相手方である林業公社等に山林の権利者として連絡をしなければいけません。福井県の山林の場合は,福井県農林水産部県産材活用課が窓口になっています。

そして,契約期間の更新延長については,契約当事者間の合意に基づいて変更されることですから,この山林を相続した者が,今回の封書の差出人である林業公社等からの説明をよく聞いて判断されるとよいでしょう。

先ほど述べた通り,経済変動により当初の見込み通りの収益が得られない状況となっていることから,全国の林業公社等では契約期間を延長するだけでなく様々な取り込みを行っています。現在は,すべての材木を伐採するのではなくその一部のみを伐採し,程よく広葉樹も入り込む針広混合林化した上で,期限経過後にそのまま所有者に返還するという流れになってきています。こうすることにより,山林の所有者は契約終了後,再造林する負担が不要となるメリットがあります。

この分収造林契約は多数の契約者がいることから,林業公社等による説明会等が開催されていることがあります。これに参加するなどして理解を深めるのもよいでしょう。

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