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2020年03月19日 (木)

H30.10.25 破産をしたいが生活に支障は生じるのか 寺田昇市

Q 消費者金融から借入を行い,そのお金でギャンブルを行っていたところ,雪だるま式で借金が膨れ上がってしまいました。到底返しきれる金額ではないので,破産をしたいのですが,破産をすることにより生活に支障は生じるでしょうか。


A あなたが一定額以上の財産を有している場合には,破産手続開始決定に伴い選任される破産管財人によって,あなたの財産が包括的に管理・換価されることになります。要するに,破産をすることにより,あなたは財産のほとんどを失うことになります。

しかし,最低限の生活を保障するために,最大で99万円相当の財産を手元に残すことが認められていますので,生活面での支障は少ないといえるでしょう。なお,あなたに,管理・換価するだけの財産がない場合には,破産手続開始決定のみがなされ,破産管財人が選任されない場合もあります。

また,破産手続開始決定を受けることにより,警備員や保険募集人,成年後見人や保佐人など,一定の職に就くことができなくなります。しかし,あなたが一般的な会社員や公務員である場合には,その職を失うことはありません。その他,戸籍や住民票に破産の事実が記載されたり,選挙権を失うこともありません。なお,破産しただけでは,借金はなくなりません。しかし,借金を作った原因がギャンブルなどの浪費ではなく,かつ,破産をするにあたり虚偽の事実を裁判所に申告するなどの悪質な事情がない場合には,破産手続開始決定の後に免責の決定を受けることができます。これにより借金が事実上棒引きになる他,前述した職業制限もなくなります。あなたの場合,ギャンブルにより借金が膨れ上がっているので,免責を受けられない可能性があります。しかし,あなたがこれまでの生活態度を反省し,破産手続に協力的である場合には,例外的に免責の決定を受けることができる余地があります。くわしいことは弁護士に相談して聞いてください。そして,これを機に,自らの生活態度を省みるきっかけとしてください。

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