2019年02月21日 (木)
H30.10.18 返済が難しくなった借金への対応について 森口功一
Q 借金が膨らんで(または保証債務の請求を受け)、返済に困っています。どうすればいいでしょうか?
A 借りたお金は、本来であれば約束どおり返さなければなりません。しかし、どうしても返済が難しいという場合もあります。そのような場合には、以下のような対応が考えられます。
①家族、親戚、友人から、お金を借りる。→一時しのぎになるかもしれませんが、本当にそれで解決するでしょうか。あとで返すことができますか。大切な人との関係を壊すことになりかねません。助けてもらえたとしても、それが甘えに繋がり、再び借入をする人も少なくありません。慎重に考えた方がいいと思います。
②家族などに連帯保証人になってもらい、自分が追加の融資を受ける。→実質的には①と同じです。「迷惑掛けないから!」。本当でしょうか。約束どおり返済できなくなれば、保証人が全額、一括での支払いを請求されることになります。リスクが高いから保証人が必要となることを忘れてはいけません。頼まれる方からすれば、保証人となることはもちろん、それを断ることも大きな精神的な負担となります。
③弁護士が金融業者等と話し合いで解決する(任意整理)。→弁護士が代理人となって交渉することで、裁判所を通さずに解決できるケースもあります。
④裁判所に個人再生の申立をする。→住宅ローンとその他の借金がある場合、定期的な収入がある方ですと、住宅ローンは従前どおり支払い、その他の借金を原則5分の1に圧縮できることがあります。この手続が裁判所に認可され、減額後の債務を返済できれば自宅を失うことはありません。
⑤裁判所に破産の申立をする。→周りの方に迷惑を掛け、人間関係を壊すくらいであれば、最後の手段として破産手続を検討すべきかもしれません。戸籍や住民票に破産が記載されることはなく、選挙権も失いません。家財道具も基本的には残せます。10年程度乗っている車であれば、そのまま使い続けられることが多いです。持ち家は原則として失うことになりますが、後に親族が買い戻すケースもあります。
あなたにとって、どのような対応がよいか、早めに弁護士に相談されるのがいいと思います。
以上