2017年12月21日 (木)
H29.9.21 法律相談のススメ 佐藤孝一
Q:父が急逝してしまいました。父には不動産や株や預金などの財産があります。父は家業の有限会社の社長でもあり、今後会社をどうしていくかも困っています。とにかくどうしたらいいか分からず、弁護士さんとの法律相談を予約したのですが、何か準備しておくことはありますか。
A:この相談は多くの法律問題を含んでいるかもしれません。法律相談を意味あるものにすべく準備をする上でのポイントは、弁護士がアドバイスする上で重視する「事実」と「資料」です。
まず「事実」ですが、相談に関わる事実を整理して、簡単なメモを作っておくことをおすすめします。今回であればまず相続が問題となり、親族関係はどうなっているか、お父様には具体的にどんな遺産がどれくらいあるか、借金などはなかったか、といった点が整理のポイントになります。また、お父様の会社の問題もあるので、業種は何か、役員や株主は誰か、従業員はいるか、取引先やメインバンクはどこか、どんな資産があるか、借金などはどれくらいあるか、などの点は、どんな弁護士も聴くことだと思います。なお、時の経過を伴う事実は、時系列に沿って整理するとよいです。このような点をメモで整理し、弁護士に見せて説明したり、自分で説明する際の控えにしたりすることで、弁護士が確認したい事実を限られた時間で効率的に伝えられます。
次に「資料」ですが、今回のお父様の相続であれば、お父様名義の不動産の登記(法務局で取付け可能です)や固定資産税通知書、株券や証券会社からの書類、預金通帳等がまず考えられますし、借金の存在を思わせるものとして、ローンの契約書、金融業者からの請求書・領収証などが挙げられます。また、お父様の会社に関しては、直近数年分の決算報告書や会社名義の各種契約書などを、とりあえず用意しておくと良いでしょう。
あと最後に、相談に対する弁護士からのアドバイスを書き留めるメモの持参を忘れずに。