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お知らせ

2017年09月15日 (金)

H29.6.15 少年付添 神田芳和

Q 18歳になる私の長男Aが、20歳の友達B君が近所のショッピングセンターで洋服を万引きするときに見張りをしたということで、10日前に逮捕されて今も警察署に居ます。今回以外にもB君の万引きを手伝ったことがあるそうです。これらのことは全て間違いなくAも認めています。Aは私たち夫婦と住んでおり、小遣いもちゃんと渡していました。私たち夫婦は、Aのしたことが今でも信じられません。

被害にあったお店にはすぐに弁償したのですが、警察官から、Aは、明日、裁判所に送られて、そのあと少年鑑別所に入れられるかもしれないと聞きました。どうしてAは家に帰ることができないのでしょうか。

 

A 早く帰ってきてほしいというお気持ちはごもっともですが、お話からすると弁償が済めば終わり、という簡単な事件ではないかもしれません。

Aさんは20歳未満なので、警察の捜査が終わると事件は家庭裁判所に送られます。家庭裁判所は、この記録を読んで疑問に思うでしょう。Aさんは、生活に困るような状況ではなかったのにどうして何回も万引きを手伝ったのでしょうか。B君に逆らえない力関係があったりしないでしょうか。ひょっとしたら、Aさんは精神的な問題を抱えているのかもしれません。問題を解決しないままだと、今後も万引きを繰り返す心配があります。

そこで家庭裁判所は、今回Aさんがしたことの原因を調査するため、Aさんを少年鑑別所に入ってもらうという判断をする可能性があります。これを観護措置といいます。少年鑑別所に入ると、4週間くらいの間、様々な人がAさんに関わることになります。

家庭裁判所の調査官は、事件記録を検討し、Aさんや家族等の関係者と面談をして、育ってきた過程、少年鑑別所での過ごし方、交友関係、など様々なことを調べて、心理学、社会学等の専門的立場から,Aさんが起こした非行の原因を分析します。また、調査の過程でAさんになぜ非行をしてしまったのかという問題を考える機会を与えることもあります。

弁護士は、「付添人」としてAさんの意見をくみ取り、代弁者として活動し、必要であればAさんを医療機関に繋げたりしながら、家庭裁判所とも協力して更生を手助けします。

そして、最終的に裁判官が、Aさんから直接話を聞き、調査官や付添人からの意見も踏まえた上でその処遇を決めることになります。これを少年審判と言います。

このように、少年に対しては、調査官、付添人の活動をはじめとし、少年法による保護が与えられています。発達過程にある少年は、吸収する能力が高く、更生を支援し早期に立ち直ることで、非行を繰り返さないだけでなく、社会貢献できる市民が育つことになります。

Aさんがすぐに家に帰ることができないのは,その更正のためでもあるのです。

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