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未分類 2016年05月26日 (木)

H28.5.26 免責条項の有効性 上坂篤

Q 先日,買い物に行った際,車をコインパーキングに止めました。買い物を終えて,出庫しようとしたところ,出口のバーが故障していて出庫途中で降りてきてしまい,車に傷が付きました。そのパーキングには,「当パーキング内における事故について,業者は一切責任を負いません」との看板が設置されていました。私は,業者に損害賠償を請求できないのでしょうか。

 

A  そのような看板があったとしても,損害賠償の請求は可能と思われます。

あなたはコインパーキングを利用した「一般消費者」ですから,パーキング業者との関係で「消費者契約法」という法律の適用を受けます。これは一般消費者の正当な利益を保護するために作られた法律で,第8条で「事業者の消費者に対する損害賠償責任の全部を免除する条項は無効」と規定されています。

ご質問にあるような看板の記載は業者が一般消費者に負う責任の全部を免除するという内容ですから,これにあたります。

看板については,利用者が自分でぶつけたり,利用者同士でぶつかった場合などでは業者側は責任を負いません,という程度に理解すればいいのではないでしょうか。

したがって,この看板によって業者が全く責任を負わなくなるものではありません。

そして,パーキング出口のバーが故障していたことが原因であなたの車が損傷を受けたというのですから,業者側が責任を負う可能性が高く,あなたは修理費などの損害賠償請求ができることになります。

ただし,賠償額は,車の時価額によって変動しますし,利用者のミスが関係している場合もありますので,どこまで請求できるかは状況により変化します。実際にこのようなことがあった場合には,自動車保険に弁護士費用特約が付いていて無料になる場合もありますので,弁護士に相談していただきたいと思います。

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