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2016年05月25日 (水)

H28.5.25 養育費の回収方法 太田宏史

Q 以前に調停を申し立てて離婚をしたのですが、最近になって元夫が養育費を支払ってこなくなりました。調停調書には養育費の支払いの定めが書いてあります。支払ってもらうにはどのような方法がありますか?

 

A このような場合、いくつかの方法が考えられます。

まず、裁判所から元夫に対し、養育費を支払ってもらうよう催告することを求める方法があります。この催告を履行勧告または履行命令といいます。

この勧告・命令は、いずれも元夫が自発的に支払うよう促すものですが、このうち履行命令は、一定期間内に養育費の支払いをしなければ養育費とは別に過料を課すこともその内容になりますので、その点で、さらに支払ってもらいやすくなるという特徴があります。ただし、これら勧告・命令は、調停などで取り決められた約束についてしか利用できません。

次に、差し押さえという方法があります。

差し押さえが成功した場合、直接的に養育費の支払を受けることができますし、養育費については、将来発生する分についても一括して差し押さえの手続きを取ることができるので便利です。しかし、差し押さえられそうな財産を探すのに手間がかかったり、差押をする対象をきちんと特定しないといけないという手続上の難しさがある上、給料を差し押さえた場合には退職されてしまうと効力を失ってしまうなど、万全というわけではありません。

その他、内容証明郵便で養育費を支払うよう請求するという方法も考えられますし、元夫と話し合いで解決したいということであれば、改めて調停を申し立てるということもできます。また、子の面会交流を円滑に進めていくことで解消されるかもしれません。

このように養育費を支払ってもらうための様々な方法がありますが、 元夫が養育費を支払わなくなった理由や、現在の人間関係などの事情によって適切な方法が変わりますので、そもそもどのような方法を選択するのがよいかというところから、よくお考えになられた方がいいと思います。ここは弁護士としても悩むところです。

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