2016年03月30日 (水)
H28.3.30 暴力団脱退 井上毅
Q 知人の息子さんが暴力団に入ってしまったのですが,今は組員になったことを後悔し,組からの離脱を希望しているそうです。どのようにアドバイスすべきでしょうか。
A 暴追センター(全国各都道府県にあります。福井県においては福井県暴力追放センター=フリーダイヤル0120(214)893)に相談するようにアドバイスしてください。警察OBや弁護士の相談員が相談に応じ,必要に応じて警察及び弁護士の連携によるサポートを受けることができます。
現在,暴力団に対する規制や取締りが強化され,また社会の暴力団排除意識の高まりを受けて,組織からの離脱を考える組員も増えていると言われています。
離脱の話などを持ち出せば,組から「制裁を加えられる」という恐怖感もあると思われますが,離脱の手続は,警察のサポートを受けながら進めることが可能です。また,離脱を妨害する行為に対しては.暴力団対策法に基づく中止命令という有効な手段があります。中止命令は,警察署長名で暴力団員に対して命令書を交付する行政処分で,組員がこれに違反すれば刑罰が科されます。
また,借用書や念書などを組の幹部や兄貴分に差し入れてしまっているとか,組が使用している賃貸マンションの契約上の借主にされてしまっているなど,容易に足抜けできないと思わせる事情がある場合もあります。しかし,このような組関係者との法律問題の多くは,弁護士のサポートによって解決可能です。
ただし,以上のような暴追センター,警察,弁護士の連携によるサポートは,本人の離脱意思が本物であることが大前提です。また,離脱後には,当然ながら厳しい社会の現実が待っています。組員時代の知り合いから声を掛けられることもあるでしょう。真の離脱のためには,離脱後も引き続き本人の強い意思と周囲のサポートが必要です。