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お知らせ

2016年02月03日 (水)

H28.2.3 知人貸付 藤井紘士

以前,飲食店を経営している叔父から「店の資金繰りが苦しいので金を貸して欲しい」と頼まれ,100万円を貸しました。しかし全く返してもらえないので,叔父の家に行き話を聞くと,「店はうまくいかなかったので閉店した。銀行からも金を借りていて返せない。」と開き直ってしまいました。自己破産等はしていないようなのですが,裁判を起こしてお金を返してもらうことはできるのでしょうか。

 

お金を返してくれない人から強制的に回収しようとする場合,その人を相手に裁判を起こして支払を命じる判決をもらい,その上でその人の財産を差し押さえるという方法があります。ご質問の事情からすると,叔父を相手に裁判を起こして判決をもらうことはできそうです。しかし,叔父が既に飲食店を閉店し,銀行からの借金も返せないような状況であれば,差し押さえることができる財産はほとんど無いと思われます。残念ながら,ここまで事態が悪化していると,叔父からお金を回収することは難しいでしょう。

叔父が飲食店の経営を続けている時点であれば,運転資金や日々の売上金が残っていたはずですから,わずかでも回収のチャンスがあったかもしれません。こうしたケースでは,少しでも早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

今回のご質問のように,親戚間や友人間での借金はトラブルになりがちです。これは,銀行やサラ金からの借金を返せなくなった人が最後に親戚や友人を頼るケースが多いからではないかと思われます。もともと借金を返せなくなっている人にさらにお金を貸すわけですから,返済を巡ってトラブルになるのは当然です。親戚や友人からの多額の借金の申し込みは,心を鬼にして断固として断るのが無難ですが,どうしても貸すのであれば,返済を期待せずにあげてしまうくらいの覚悟が必要です。

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