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お知らせ

2016年02月11日 (木)

H.28.2.11 相続放置 藤井紘士

先日,私の遠い親戚を名乗る人物から通知が届きました。これによると,とある土地の登記名義が,私の5代前の先祖の名義のままになっているので,登記手続に協力して欲しいというのです。書類に印鑑を押すだけでよいということですので,本当のことであれば協力してあげたいと思うのですが,見知らぬ人物からの手紙であり,詐欺などではないかと心配です。どうすればよいでしょうか。

 

ご質問のケースのように何代も前の先祖の相続手続をする場合,その先祖の相続人が既に死亡していればさらにその相続人を,その人物も死亡していればさらに・・・という具合に相続関係人が枝分かれ的に増えていきますので,見ず知らずの遠い親戚から相続手続への協力を要請されるというのも有り得ることです。したがって,ご質問の内容だけでは通知が詐欺かどうかという判断はできず,まずは戸籍を取り寄せてあなたの先祖の相続関係や通知人との親戚関係を調査する必要があります。何代も前の戸籍の取り寄せやその内容の確認は慣れないと非常に手間のかかる作業ですので,ご心配であれば弁護士にご相談下さい。

ところで,実際に知らない人の相続人となっていた場合,財産が降って涌いたようで得なイメージがあるかもしれません。しかし,ご質問のケースのような場合,相続分は何十分の一,何百分の一となることが多く,経済的な利益は無いことがほとんどです。

なお,ご質問のケースほど極端では無いにしても,祖父母や両親からの相続登記が未了のままになっている不動産は少なくないと思われます。これを放置したまま年数が経つと,相続関係人が増えていき手続が非常に難しくなりますので,相続登記は早めに完了しておくことをお勧めいたします。

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