戦後の日本国憲法が制定され,これに伴い司法制度の改革が行われました。 その際,弁護士会や弁護士の役割などを定める「弁護士法」という法律が作られました。 福井弁護士会は,この「弁護士法」という法律に基づいて作られた法人です。
福井弁護士会の会員は,福井県内に事務所を設けている弁護士及び弁護士法人です。
また,弁護士及び弁護士法人は,設けている事務所を管轄する弁護士会に必ず所属しなければならないことになっています。
ですから,福井弁護士会の会員名簿を見れば,福井県内の全ての弁護士が分かるということになります。
逆に,もし,皆様の前に名簿に登載されていないのに「弁護士」を名乗る人物が現れたり,「○○法律事務所」という看板が掲げられていたりしたら、
「弁護士」を名乗ってはいけない人が「弁護士」を名乗っている可能性があります。
弁護士会は,何のために存在するのでしょうか。
「弁護士法」では,弁護士会の目的を,「弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、
弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うこと」と定めています。
難しいことが書かれていますが,会員である所属弁護士が,その使命と職務をきちんと行うように必要な指導,連絡,監督などを行うことが弁護士会の役割とされています。
この目的を達成するために,弁護士等の登録審査、弁護士等に対する懲戒処分など弁護士等の身分に関する業務を行ったり,弁護士等が守らなければならない会則などを定めています。
また、弁護士法には、弁護士は、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」「その使命に基づき,社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。」
とも定められており,福井弁護士会では、この弁護士の使命のもと、人権擁護に関する様々な活動、各種法律改正に関する調査研究・意見提出、消費者被害救済、公害・環境問題への取組、刑事手続改善の活動、
市民に開かれた司法とするための司法改革運動などにも積極的に取り組んでいます。
弁護士会には,他の士業(司法書士,税理士,行政書士,社会保険労務士など)にはない「弁護士自治」という独特の制度があります。
この「弁護士自治」というのは,弁護士会や弁護士は,国や地方自治体などの監督を受けず,弁護士会自らが自治権を持ち,自主的なルールの下で指導,連絡,監督などを行うというものです。
弁護士は,時として国家権力と対決しなければならないことがありますが,対決する相手が監督権を持っていてはまともに対峙することができません。
このように国家権力と対決するような場合であっても,基本的人権の擁護と社会正義の実現のために弁護士が活動できるようにするため,弁護士には自治権が保障されているのです。
(例)地方自治体 選挙管理委員会,人事委員会,都市計画審議会,環境審議会,情報公開審査会など
福井地方法務局 筆界調査委員など