会員執筆記事

H28.1.6 法律相談 前波裕司

Q 法律相談にイメージが持てません。どういうときに相談に行けばいいのですか。また,相談に行くときは,どういうことを注意したらいいのですか。

 

A 法律相談は,弁護士としての一番基本的な仕事です。今は,弁護士会や法テラス,社会福祉協議会など,いろんなところで法律相談をしています。

法律相談というからには,もちろん,法的な権利や義務などにまつわるトラブルについて相談できるというのは当然です。交通事故や借金問題,賃金の問題や売掛金,相続,離婚といった家族問題などは一つの典型例です。しかし,それにとどまるものではありません。世の中のほとんどのことには法律が絡んでいるからです。

逆に,法律問題として相談を始めても,法律の問題には触れる程度で,ほとんどの話が法律以外の内容になることも少なくありません。考え方や,対処の仕方など,法的に難しい問題にならないようにするためのアドバイスなどです。紛争は,起こってから解決するよりも,予防する方がよほど簡単ですし,手間もかかりません。法律問題かどうかを深く考えずに,とりあえずでいいので無料の相談に行かれる方がいいと思います。法律問題を扱った経験から,何かの役に立つことが多いでしょう。

そして,相談に行くときの注意点ですが,「本人が」「資料をもって」行くことが基本と考えてください。

ご本人の問題なので,本人以外の方が行かれても,事実関係がわからないため,相談が進まないことがあります。本人から話を聞いた人であっても,どこが重要かの視点が弁護士と異なっている場合には,結局話は進みません。離婚などを例にとると,本人が相手の何に苦しんでいるのか,これまでどんなことがあったのか,今後どうしていきたいのか,やはり本人から聞かなければなりません。

資料について,弁護士は,最終的には証明できるかどうかを考えます。そのためには,言い分よりも資料が大事です。極端にいうと,裏付けられない言い分は裁判では聞いてもらえないくらいです。ですので,希望に添える仕事ができるか否かにおいて,資料の有無は非常に重要ですので,役に立つかどうか微妙なものも含めて,資料はできるだけ持参した方がいいです。

弁護士とのいい関係を築き,うまく使って頂きたいと思う次第です。

日刊県民福井

日刊県民福井の一覧へ戻る