会員執筆記事

H29.2.8 未払残業代請求 近藤憲彦

Q 私は、会社の従業員として、工場で物を作る仕事をしています。平日は、朝7時から夜9時まで仕事をしているにもかかわらず、残業手当として3万円が支給されるのみです。会社は、残業手当として3万円支払っているのだから、何時間残業してもこれに含まれると言って、定額である3万円以上の残業代を支払ってくれません。このような場合でも残業代は請求することができるのでしょうか。

 

 

A 残業代を請求することができる場合があります。

 

まず、残業を行った時間について残業代を請求することができるのが原則です。しかし、例外的に、残業代について、法律で定められている計算方法ではなく、会社が月額3万円といった定額支給に設定することも法律上一切許されないわけではありません。①残業手当が、残業(時間外労働)の対価として支給されていること、②支給時に支給対象の残業(時間外労働)の時間数と残業手当の額が従業員に明示され、残業手当によって予定している残業時間数を超えて残業が行われ、③残業手当とは別に精算する旨の取扱いがなされているといった場合には、残業代として定額支給とすることも許されます。

 

このような条件を満たしていない場合には、残業手当を定額とすることは許されず、原則どおり、あなたは、会社に対して、法律で定められている計算方法によった残業代を請求することができます。

 

一方、定額支給が許される場合であっても、会社は、定額を支給しただけで、残業代全額について支払義務を免れるわけではありません。実際に発生した残業代が支払われた残業代を超える場合には、その差額について、会社は残業代を支払わなければなりません。ですので、あなたの月の残業時間による残業代が定額3万円を超える場合には、残業代請求をすることができます。

 

残業代請求をするためには、残業したことを示す証拠が必要となりますし、法律上の問題も多く含まれますので、まずは専門家である弁護士にご相談ください。弁護士会等で行われている無料の相談会もありますのでご活用ください。

日刊県民福井

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