会員執筆記事

H29.1.11 店舗内での転倒事故 紅谷崇文

Q 私は、個人で飲食店を経営しているのですが、先日、お客様が店内で転んで怪我をしてしまいました。腕を骨折してしまい、1週間の入院とのことで、仕事復帰の目途はたっていないようです。このような場合、お店の経営者として金銭の請求を受けることはあるのでしょうか。

 

 

A お客様が転んだ原因は何でしょうか。それが、お店の構造や清掃状態に問題がある場合や、店員の案内ミスが原因だった場合等には、お店側にも、その転倒の原因となった割合に応じて賠償に応じる義務が生じます。

裁判例では、例えばコンビニやショッピングセンターでお客が転倒したケースで、お店側に高額な賠償金の支払いが命じられた判決もあります。一方で、同じように転倒したケースでもお店側の責任が認められなかった裁判例もあり、個別の事案に応じて、転倒の原因、店舗の当時の具体的状況、お客の実際の動き、店や店員のその時の対応など様々な要素を詳細に考慮して、お店側の落ち度の有無、落ち度がある場合は、その割合を決定することになります。

また、賠償の金額について裁判上認められる範囲は、治療費だけではなく、仕事を休んだことの減収分や怪我をしたことに対する慰謝料も含まれます。さらに、腕を骨折したことで、将来の仕事に影響が生じるケースでは、将来の収入の減収分や後遺症が残ったことの慰謝料も別に損害とされる場合もあり、賠償金の額は非常に大きくなる可能性があります。

そのため、仮にお店の責任が小さかったとしても、支払うべき金額が高額になる場合もあります。相手から請求を受けた場合は、簡単には回答せず、弁護士に相談されることをお勧めします。また、このようなケースに備えた保険も多くの保険会社で準備されています。いざという時のために、保険に加入することも考えてみて下さい。

日刊県民福井

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