会員執筆記事

H29.11.8 下請法について 紅谷崇文

Q 私は小さな工場を経営し、機械メーカーから部品の製造を受注しています。元請のメーカーからは色々と理由をつけて安くしろと言われます。次の仕事が来ないかもしれないと思うと、強気で交渉できず言い値で受注することもあります。何か良い方法はないでしょうか。

 

A 下請法という法律はご存知でしょうか。この法律は、元請と下請の経営規模に差がある場合、下請事業者への不当な扱いを厳しく禁止する法律で、違反した業者を公正取引委員会が勧告、公表することも出来ます。

具体的には、例えば、あなたの会社が資本金1000万円以下で相手の会社が資本金1000万円より大きい場合、相手の会社は「著しく低い」代金で製品を発注することが禁止されます。この点、「著しく低い」代金に該当するかは業種等によっても異なるので、安易にこの法律を用いることが出来ると軽信することは危険ですが、余りに不当な値段で発注を受けた場合は、この法律に該当しないか検討してみるべきでしょう。下請法は、規模の大きな元請事業者に対し、不当に安い発注だけではなく、代金の不当な減額や支払いの遅延など様々な行為を禁止したり、契約書などの書面の保存義務や遅延利息の支払義務などを課したりしており、下請業者にとっては、とても心強い法律です。

なお、この法律の適用があるかは取引の内容や資本金の差によって異なるので、そもそも下請法の適用があるかどうかは慎重に判断する必要があります。また、建設業は別の建設業法という法律によって規制されるので注意が必要です。

下請法を正面から主張することは実際の交渉では難しい場合もあると思います。しかし、今後、元請と交渉する際、このような法律があることを知った上で交渉するのと、知らずに交渉するのとでは、あなたの心理面や交渉方法に違いが生じると思います。公正取引委員会のホームページなどで分かりやすく解説してあるので、一度、ご覧になってはいかがでしょうか。

日刊県民福井

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