会員執筆記事

H29.7.12 いじめ問題 上原千可子

小学5年生の息子が学校でいじめに遭い,現在,不登校になっています。これまで何度も学校とも交渉を重ね,学校側もいじめた子に指導してくれていますが,息子に対するいじめはなかなか収まりません。親としては,息子になんとか学校で勉強をしてほしいと思っていますし,このままでは進級に影響が出るのではないかと心配しています。どうすればいいでしょうか。

 

お子さんが不登校であり,学校の授業を受けることができていないため,進級に影響があるのではないかと心配するお気持ちはごもっともです。

この点,法律では,小学校での進級や卒業の認定については,児童の「平素の成績を評価して定める」(学校教育法施行規則57条)とされていて,出席日数やテストの成績は要件とされていません。また,「児童が心身の状況によって履修することが困難な各教科は,その児童の心身の状況に適合するように課さなければならない」(同規則54条)とも定められていますので,学校側は,児童の状況に応じて適切に対応する必要があります。

そのため,今回のケースで,お子さんの欠席日数が多いことやテストが受けられていないことだけを理由として進級させないという判断がされることは,あってはなりませんし,学校側もそのような判断はしないと思われます。

この点,平成25年に施行されたいじめ防止対策推進法では,「保護者は,その保護する児童等がいじめを受けた場合には,適切に当該児童等をいじめから保護するものとする」(同法9条2項)と保護者の責務も定められています。ですから,親御さんとしては,学校の進級への影響については心配なさらずに,無理に登校を促すよりは、お子さんにじっくりと寄り添い、学校側と協力しながら,いじめを解消する方法を模索されては如何でしょうか。

今後,学校側には,いじめている子に対し,どのような対処を考えているのか具体案を提示してもらうとともに,こちら側の意向もきちんと伝えておくのが良いかと思います。

いじめへの対応などについて悩んでおられる場合には,ご家庭で抱え込まず専門機関に相談することをお勧めします。

福井弁護士会ではいじめや不登校など子どもに関する悩み全般の相談を受け付ける「子どもの悩み110番」を福井大学との共催で定期的(年4回程度)に実施しています。お困りのことがあれば,ご相談ください。

日刊県民福井

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