会員執筆記事

H29.5.10 暴力団からの予約 寺田直樹

Q 私はイタリアンレストランを経営しています。先日、電話で、土曜夜の貸切の予約が入りました。結婚式後の二次会ということでしたので、予約を受けました。しかし、その後になって、実際には、結婚式の二次会などではなく、ある暴力団幹部の襲名披露パーティーであることが分かりました。暴力団員が大挙しての利用は非常に困ります。何とか解約することはできないでしょうか。なお、暴力団排除条項などの規約は整備していません。

 

A このような予約に応じた結果、実際に暴力団幹部の襲名披露パーティーが行われてしまうと、店と暴力団との密接な関係が疑われてある種のレッテルが貼られる危険がありますし、またその後も暴力団員が出入りするようになって一般市民が出入りしづらくなるなど、店の経営には大きな影響が及ぶことになるでしょう。場合によっては、福井県暴力団排除条例が禁止する利益供与に該当して、公安委員会による調査や勧告の対象とされることもあります。

そこでどのように対応すべきかですが、予約の際に聞いた利用目的と明らかに異なる利用目的であることが判明したのですから、民法上の錯誤(勘違い)、詐欺などを主張して、契約を解消することが考えられます。仮に予約の際に明確な利用目的を聞いていなかったとしても、暴力団幹部の襲名披露パーティーが行われると知っていたとすれば、一般的には予約を受けることはありえませんので、襲名披露パーティーであることを隠して申し込んだこと自体が詐欺行為にあたり、それを原因とした勘違いであるから契約を解消すると主張することもあり得るでしょう。また何よりも、暴力団排除に向けた強い社会的要請がある中、多数の暴力団員が飲食店で公然と襲名披露パーティーを行うこと自体、明らかに社会的許容性を欠き、公序良俗違反であるとして契約の無効を主張することも考えられます。

いずれにせよ、何らかの方法で対応することが出来ると考えられますが、専門家の援助が不可欠であると思われますので、迷わずに暴追センター(フリーダイヤル0120-214-893)や弁護士会(電話0776-23-5255)にご相談いただくことをお勧めします。

日刊県民福井

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