会員執筆記事

H28.10.27 賃貸住宅退去時の原状回復 山本晋太郎

Q.10年間入居していたアパートを退去した際に,ハウスクリーニング代,クロスの張替など25万円がかかるといわれ,入居のときに支払った敷金10万円の他に,15万円を請求されました。特に何かを壊したり,汚したりといったこともなく,敷金は返してもらえると思っていたので,納得できません。言われたとおり,支払いをしなければならないでしょうか。

 

A.支払いをする理由がない場合が多いので注意する必要があります。賃貸住宅の退去時の原状回復に関するトラブルはよくみられます。

まず,契約書を確認しましょう。借主が負担する内容が具体的に書いてある場合には,その内容に従い,一定の負担が必要になる場合もあります。契約書に書いてある場合であっても,過剰な負担を強いる内容であれば,無効となる場合があります。

契約書に特別な約束が書いていない場合や約束が無効といえる場合には,修繕義務を負うのは,借主ではなく,貸主です。借主が,通常の方法で使用したことから当然に生じる汚れや傷みについては,修理費用の要求に応じる必要はないと考えて話合いを行う方がよいです。原状回復の範囲については,財団法人不動産適正取引推進機構の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考になりますので,交渉の際には参考にするとよいでしょう。

写真をとっておくと,建物の汚れや傷みといった状態がわかり,話合いの際に役に立つことがあります。

長年、建物を使用したことによって,畳やクロスに変色や汚れがあっても,これらは通常の使用方法によって生じるものなので,借主は退去する際に,張替費用を負担する必要がないことがほとんどです。25万円の請求は高額すぎ,応じるべきではないでしょう。

自分の力で解決することが難しい場合は,積極的に相談を利用しましょう。

福井県消費生活センターや市町村の消費者センターなどの相談窓口を無料で利用することができます。弁護士に交渉を依頼する場合には,福井弁護士会や法テラスの相談窓口を利用する方法があります。

福井新聞

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