会員執筆記事

H30.8.16 弁護士費用 前波裕司

Q. よく,弁護士さんに相談に行った方がいいということを耳にするのですが,弁護士さんに何かを頼むといくらくらいかかるのですか?お金がかかる印象がありますし,相談に行ってびっくりするようなお金を言われるのが怖い気がしています。

 

A.弁護士さんにいくらかかるのかわからないというご意見はたまに耳にします。商品ではなく,法的なサービスの提供ですので,わかりにくい面もあると思います。

 一般的に,一事件にかかる弁護士の費用は,最初の事件開始の時にかかる着手金と,事件終了時にかかる成功報酬の二本立てになります。長期化複雑化している事件の場合,中間金が生じる場合もありますが,例外的と考えていいと思います。着手金の額は,事件開始時に明示されますし,報酬については,少なくとも目安は示されると思います。それぞれの事務所ごとに報酬基準が設けられており,事件の難易度などを考慮して,その基準を元に算定することになります。一般的な基準については,日弁連のHPで報酬目安のアンケートが公開されていますので、参考にしてください。

 また,一つの問題を解決するために,複数の事件を扱わなければならない場合があります。例えば,離婚と婚姻中の生活費請求(婚姻費用)は別の事件になりますが,婚姻関係の清算のためには処理する必要があります。また,通常の判決を得ても,その内容を実現する手続が必要になる場合,保全手続や執行手続が必要となる場合がありますが,これも基本的には別の事件となります。

 その他にも,判決に不服がある場合の控訴事件は,裁判所も異なりますし,別の事件ということになります。会社とその代表者個人や,保証人に対する請求をする場合なども,相手方が複数になるので,基本的には複数事件ということになると思います。

 事件の性質や目的などによって,必要な手続はずいぶん異なることになります。これも弁護士費用をわかりにくくしていることは否定できません。

 ただ,弁護士は,契約書を作成することは基本的な義務とされていますし,どのような費用見込みになるかについても説明する義務があります。不明な点については,十分に尋ねるべきです。相談に行く際も,事前に相談費用は明らかにされているはずです。弁護士費用がわかりにくいことは,法的な仕組み等によってやむを得ない面もあるのですが,予期せぬ費用を請求されるようなことはあってはならないことですので,その点については安心していただきたいと思います。

福井新聞

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