会員執筆記事

H29.12.21 暴力団員の入居申込 桑野陽壮

私は、マンションを所有しています。居住用の1部屋を人に貸そうと考えているのですが、先日、人相の悪い暴力団風の男から、入居の申込みがありました。その男が暴力団の関係者かどうかはわかりませんが、暴力団関係者が入居しないようにするためには、どのような予防策があるのでしょうか。

 

暴力団員やその関係者が賃貸物件に入居すると、暴力団関係者が頻繁に出入りするようになって、そのマンションや周辺の居住環境が悪化するおそれがあります。いつの間にか組事務所として使われていたというケースもあります。また、その場所が暴力団の対立抗争事件の現場となるおそれがあると見られて、他の賃借人が退去してしまい、マンション全体の財産価値が下落してしまうこともあります。そして、暴力団関係者に限らず、一般的に、いったん入居した賃借人に対して退去を求めるのは、簡単なことではありません。

そこで、暴力団関係者を入居させたくないと考えるのであれば、まずは契約前に相手方の素性、属性を十分に確認し、暴力団の関係者とわかった場合や疑わしい場合には、契約をお断りすることが重要です。特に賃貸借契約の場合には、契約の申込者本人だけでなく、入居予定者についても暴力団関係者でないかを確認しなければなりません。その確認方法としては、人相、風体などの人物観察も効果的ですし、偽名や架空会社による契約を阻止するためには、申込者に対して、入居予定者全員の住民票や会社の場合には商業登記簿謄本の提出を求めることも必要です。疑わしいと思った場合には、福井県暴力追放センター(フリーダイヤル0120-214-893)にご相談ください。専門の相談員から情報提供やアドバイスをもらうことができます。

また、賃貸借契約書の中に暴力団排除条項を設けることや、暴力団関係者でないことを表明する誓約書への署名捺印を求めることが極めて効果的です。暴力団排除条項とは、賃借人または入居者のいずれかが暴力団関係者であることが判明した場合には、賃貸人は直ちに契約を解除することができるという内容の契約条項のことです。これを置くことで、契約締結後に相手方が暴力団関係者であるとわかった場合に、よりスムーズに退去を求めることができるようになります。また、このような条項を定めたり、誓約書を求めることにより、暴力団関係者に「ここはガードが固い」との警戒心を抱かせ、契約をあきらめさせる効果もあります。

福井新聞

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